ツナガルワタシーヒビノキロクー

ファミリーコンステレーションと禅タロットの学び、パン作りやさをり織りのものづくりの日々

「老化」って何なのさ?-老いる自分をゆるしてあげるー

最近、「上手な歳の取り方」を考えるようになった。

どうなりたいか、というと

  • 好きな洋服が着られること
  • 好きに学び続けられること
  • 「こんなことやりたいな」って時に、ゆっくりでいいから動けること
  • 本を読み続けられること
    etc・・・

言い出したらキリがないのでこのあたりでやめておく。

これらのことをやろうとすると、まず出てくるのが、体力筋力問題。

ことに、去年の緊急事態宣言以来、出かけることが減り、どんどん体力がなくなっていることに気づくのだ。

現在、朝ラジオ体操、夜にストレッチや軽い筋トレやってるものの、「ほんとにコレでいいのか?」なんてことも頭をよぎる。

そういえば、去年の読書会で「老いる自分をゆるしてあげる」という本を読んだ友人がいたなー。読書会の時も気になっていたので、わたしも読んでみた。

 

 

歳を取る=体が老いるってどういうこと?から始まり、「骨」「筋肉」「感情」がそれぞれ年を取っていく、それに対応するにはどうしたらいいか?ということがわかりやすいように漫画で解説されている。

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それによると、600万年前のヒトの寿命は約20年だった。それが長い歳月を経て、20世紀半ばまでに約50年に延びた。
そのため、ヒトの寿命は50年で設定されている、と予想される。

老化、というのはヒトの中に「老化のプログラム」があらかじめ設定されていて、それが50年の寿命だったのだ。

老化は、成長と同じように身体に組み込まれているプログラムであり、生命の営みなのだ、と書かれている。

 

以前、知り合いが「人間の身体って、50年で寿命が来るから、それ以降は余生やと思って楽しく生きるのがええ」と言っていたが、まさにそのままな感じだ。

彼女がこれを知っていたかどうかは不明だが、なんとも真実をついた一言だった。

 

長い間、50歳で終わっていた寿命が、この50~60年で一気に倍に増えてしまった。
身体の老いに心がついていかない、そんな状態が今起きている。
では、彼女の言う「余生やと思って楽しく生きる」にはどうすればいいか?
その答えが、身体と心の両面の扱い方が、わかりやすくユーモアも忘れずに書いてあるのがこの本だ。

 

「身体(骨と筋肉)」のケア

  • 骨細胞に危機感を持たせるエクササイズ
  • カルシウムとタンパク質をとる
  • ストレスをためない
  • 歩き続ける(足の筋肉をつける)
  • きちんとした姿勢で立つ、歩く

当たり前のことが並んでいるが、それを無理なく続けるヒントも記述されている。

「感情(心)」のケア

  • 脳のアクセルとブレーキのバランスを保つ
  • クールダウンはぐっすり眠ること
  • 老いを体感するたびに、ちょっとずつ折り合いをつけていく
  • 「長く生きていると楽しみが増える、だから長生きしなさい(貝原益軒 養生訓)

「さあ、50歳からの人生を創ろう」を合言葉に、自分を受け入れて今までと違うサイクルで生きていくことが重要なのだ。

  • 治療よりも養生
  • 養生とは生活習慣に気を配り健康を維持する
  • 自分への過信と甘えが体調を崩す

あはは、耳が痛い言葉が列挙されている。
が、周囲を見渡すと「自分への過信」してる人、多いんじゃないかな。
(ドキッとしたアナタ、アナタも仲間ですよー)

 

で、50歳以降の人生の作り方としては

  • 人生の優先順位をつける=エネルギー配分をする
  • 好奇心を失わないこと
  • 早めにこまめに養生、時には羽目を外す
  • 老いて行く自分の身体を許す

がポイント。

上二つは、比較的簡単に取り組んでが、つい忘れがちなのが、下二つ。
今まで大丈夫だったから、とちょっと無理してみたり、まだ若い(基準もなく)といって、身体が言うこと聞かないのも自分でせめてみたり、そんなこと、している人多いんじゃないかな。だって、みんなとっても頑張ってるもの。

 

この本を知ったのは、去年開催していた読書会。
この本で参加してくれた友人がいたのだ。
とても気になって、買ったはいいけどしばらく置いといたのだが、ようやく手に取ったのだ。

この書評を書くために、読んだ時の読書ノートと、去年の読書会の記録を読み返してみた。そこにメモされていた、友人の言葉がある。

「身体さんに、寝る前に「ありがとう」、朝起きるときに「今日もよろしく」って声に出して言ってます」

 

より長く、自分と楽しく付き合うには、まず現状を理解すること。
老いる自分を受け入れて、自分の老いをゆるして、楽しく生きるそのための「現実的な」ヒントが盛りだくさんな本だった。